“やりたいこと”を応援してくれる街。下野市でチャレンジしてみませんか?

地域に関わりたい。なにかやってみたい、と考えたときに、良き理解者や仲間に出会えるかは気になるところではないでしょうか。

 

そんな人にとっては、何かを「やりたい!」と声を上げれば応援してくれる人がたくさんいたり、既にあるプロジェクトに仲間に入れてくれる人たちがいたら、とても助かりますよね。

 

今回のはじまりのローカルコンパスの舞台でもある“栃木県下野市”は、応援してくれる人・受け入れてくれる人たちがたくさんいる街のひとつです。

自分の想いを実現していくことができる街

左:相馬秀紀さん 右:浅香浩幸さん

「下野市の地域コーディネーター、5人でも大丈夫ですか……?」

 

はじまりのローカルコンパスのツアーは、その地域のキーマンに地域コーディネーターとして街を案内してもらい、様々なヒト・モノ・コトを参加者に繋げてもらいます。下野市が舞台になると決まり、下野市役所の浅香さんと相馬さんに相談したら、どうしてもこれ以上は絞れないと言います。

 

「下野市は、たくさんの若者が活躍していて、それぞれ得意分野を持ち寄ってつながっているので、特定の人に絞れないのです」

 

そう言って、紹介してくださったのがこちらの5人です。

 

1.山口理貴さん(Keyword:福祉・障がい者・マイノリティ)

2.永井塁さん(Keyword:お笑い・MC・教育)

3.加藤ちひろさん(Keyword:デザイン・コンテンツ企画制作)

4.仁平麻耶さん(Keyword:イベンター・カフェ店員・デザイナー)

5.佐藤寛記さん(Keyword:家業を継ぐ・実験教室・企画営業)

 

ここに名前が挙がった地域コーディネーターも、最初は移住者の1人だったりします。それぞれどんな想いを持って、どう繋がり、どんな取り組みをしているのでしょうか。

1人目:山口理貴さん(福祉・障がい者・マイノリティ)

山口理貴さん (一社)Bridge 代表理事 TSUBAKIYA 管理者・作業療法士
障害者の就労や社会参加促進への取り組み、古民家TSUBAKIYAのスペース運営やイベントの企画などを行う。

宇都宮で生まれ育ち、作業療法士の資格を活かして、福祉施設や行政で働いていた山口さん。下野市にはおじいさんの実家の古民家があり、それを活用するために下野市で挑戦することに決めたそうです。地域の障がい者と社会の境目をつないでいきたい。そんな架け橋になるために、自ら立ち上げた一般社団法人を「ブリッジ」と名付けました。

 

「始めた当時は私も何も下野市の人との繋がりが無かったのですが、地域って意外と冷たくないなってことを感じます。手段は違えど地域を良くしたい、貢献したいという気持ちが一緒だと、応援し合う環境が下野市にはあります」

 

山口さんが関わっている、仲間との取り組みはなんなのでしょうか。

 

「永井さんが企画したイベントに、うちで繋がりのある施設の障がいを持つ方々をスタッフとして紹介したこともあります。一方で、永井さんもうちのイベントで寄席をやってくれたりして。できることで助け合ってますね」

2人目:永井塁さん(MC・お笑い・教育)

永井塁さん 喋り屋・常設寄席「笑い場しもつけ」主催
司会、実況、歌謡ショー等、幅広く「喋る」喋り屋。常設寄席小屋「笑い場しもつけ」を運営し、笑いの場の提供とべしゃり力向上に励む。

下野市で生まれ育ち、大学進学を期に上京。東京でお笑い芸人として活動していた永井さんがUターンしてきたのは6年前、地元のイベントで司会をしたことがきっかけだったそうです。

「当時、東京でもらっていた以上のギャラをもらってびっくりしたんです。なぜそんなにくれるのかと聞いたら、技術に見合ったものを払うのは当たり前だと言われて。良いものを持っていれば評価してくれる人がいるんだなと。下野市に自分がやるべき仕事があると感じて、戻ることに決めました」

 

Uターンしてから、下野市らしい元気で活気のある街“下野市に浅草をつくる”というテーマを掲げて活動しています。その手段に選んだのが寄席でした。

 

「自分にはお笑い芸人としての経験があります。その他に子どもの教育や、高齢者の福祉などに関わってきたので、老若男女問わず受け入れてもらえる娯楽が“寄席”だと思いました。新しいチャレンジとなりますが、下野は自営業の街。サラリーマンの発想が無くて、自分でやっちゃう人が多いです。今ないものをやれば、評価してくれる人は必ずいますよ」 そんな想いをカタチにするために動いている永井さんは、どのように仲間と連携しているのでしょうか。

 

「佐藤さんは中学1年生のときの同級生で、元相方。寄席のプロモーションの相談に乗ってもらっていますね。加藤さんには寄席のチラシやロゴなど、クリエイティブをつくってもらっています。2人とも欠かせない存在です」

3人目:加藤ちひろさん(デザイン・コンテンツ企画制作)

加藤ちひろさん グラフィックデザイナー・イラストレーター・映像ディレクター
デザイン制作会社タオグラフィクスにてデザイン・イラスト・映像制作を担当。石橋ローカルWEBメディア「イシロー!」の取材・編集も行う。

学生時代は都内でグラフィックの勉強をしていた加藤さん。卒業後、伝統工芸士を育成する栃木県の機関、”窯業指導所”へ通われていたそうです。栃木にはクリエイティブな仕事がない……と思っていたものの、窯業指導所のクラスメイトと現職の上司がつながっていて、その縁で一緒に仕事をすることになりました。

 

「下野市でデザインの仕事ができるか不安だったけれど、ちゃんとそういう仕事をしている人はいるんです。私も来てから知りましたし、意外とどうにかなると思いました」

 

加藤さんはフリーランスとして、様々な会社とプロジェクトのデザインの仕事をされています。そのひとつとして、石橋のローカルメディア「イシロー」の企画・制作スタッフもされていて、企画を通じてたくさんのコラボレーションが生まれています。

 

「永井さんは街のイベントで出会ったことがきっかけで、イシローの動画の演者としてオファーしました。あと、佐藤さんとはシモツケラボとして動画に協力してもらっています」

 

今回のはじまりのローカルコンパスのツアーでも、加藤さんと一緒に動画づくりにチャレンジする予定です。

4人目:仁平麻耶さん(イベンター・カフェ店員・デザイナー)

仁平麻耶さん (一社)シモツケクリエイティブ、デザイナー・カフェ店員
シモツケクリエイティブが運営する古民家カフェ「10 picnic tables」の店舗運営の傍ら、イベントの企画運営やデザイン業務を行う。

以前は日光で仕事をしていた仁平さん。退職を機に自分が進みたい道を考え、デザイン学校に通うことに決めました。そこで出会った先生に現職のシモツケクリエイティブの存在を教えてもらったことがきっかけで転職。2018年4月にオープンした古民家カフェ「10 picnic tables(通称:テンピク)」のオープニングメンバーとして働いています。

 

「現職は、大好きなデザインやカフェ、イベントに挑戦できて楽しいです。自分の好きなことをやる環境って、意外と近くにあるんだなと思いました。人づてで情報をもらうことが多いので、情報は足で稼ぐことが大切だと感じます」

 

また、テンピクの隣のシェアスペース「夜明け前」の管理もされていて、たくさんのイベントにも関っています。

 

「姪っ子が生まれたことがきっかけで、子どもがイキイキと楽しめる場所をつくりたいと思うようになりました。普段は接点のないヒト・コトとの出会いを下野市につくって、可能性の広がるイベントをしたいです」

 

そんな仁平さんは、同じくシェアスペースを運営している山口さんと連携して会場の有効活用しています。また、下野市には子ども向けのイベントが多数あり、その中でも佐藤さんとは「シモツケラボ」、加藤さんとは「しもつけマーケット」とコラボイベントを運営されています。

5人目:佐藤寛記さん(家業を継ぐ・実験教室・企画営業)

左:佐藤寛記さん 右:加藤ちひろさん

佐藤寛記さん (有)佐藤燃料店専務・理科実験教室『シモツケラボ』主宰・『石活会』広報
2015年に東京からUターン。炭屋時代から続く、燃料会社の四代目。地域活性化イベント、子ども向け理科実験教室の企画運営を行う。

大学で建築を学び、都内で不動産の企画営業として働いていた佐藤さん。家業を継ぐため3年前に栃木にUターン。家業の傍ら、地域の様々なプロジェクトに携わっています。

 

「家業の仕事以外に、子ども向け理科実験教室のシモツケラボや、永井さんと一緒にお笑いグランプリの企画と運営をしています。学生時代から人が集まる場をつくるのが好きで、今も県内の若者を集めて交流イベントなどを開催しています。」

 

大学時代に学んだ建築やデザインの知識、また社会人で身に付けたビジネススキルを大いに活かしている佐藤さん。今後は特に、シモツケラボの活動を通して、より多くのお子様に理科の楽しさを知ってもらえるよう、幼稚園や学校に出張授業なども展開したいそうです。

 

「親子参加型の理科実験教室を開催していますが、今後は子どもたちにプログラミングやロボットづくりを教える授業も開催していこうと思っています。週末の副業に興味ある人とかいませんかね?」

 

と、かなり具体的に参加者を巻き込みたいプロジェクトがあるようです。

出入り自由!若者がチャレンジする環境に恵まれた下野市

下野市でそれぞれチャレンジしている地域コーディネーター5人の紹介をしていきました。好きなことや得意なこともみんな違いますが、時に協力し合ってそれぞれの目標に向かって進んでいます。

 

人が加わることで、新しいコトが生まれることを体感している皆さんは、はじまりのローカルコンパスで新しい仲間に出会えるのではと、わくわくしている様子でした。

 

都市部に住みながら、地域との関わりを持つライフスタイルを提案している「はじまりのローカルコンパス」では、10月から栃木県内各地で様々なプログラムを開催します。

 

下野市では1泊2日のツアーを合計2回。最初のツアーで地域のコト・ヒト・シゴトを知り、最後には一緒にとあるプロジェクトに挑戦していくことで、街と関わり関係する体験をしていただきます。

 

毎年、コンパスツアーで参加した土地に、継続して通う人が多数います。あなたも地域と関わる最初の一歩として下野市に足を運んでみませんか?

 

 

ツアーの詳細はこちら

 

■10/20(土)〜全3回@東京都/栃木県・下野市 

 ひととまちとつながる旅 「"笑い× 地域の資源"で賑わいをつくる」

 https://www.hajimari-local.jp/event/18long/

 

(文・永井 彩華)