都市部に住みながら、地域との関わりを持つライフスタイルを提案している「はじまりのローカル コンパス」では、毎年秋に『ひととまちとつながる旅』と称して、栃木県内各地に赴き、現地の人と触れ合うツアーイベントを実施しています。
2017年の実施場所は、県北の那須と県南の足利。いよいよ開催まで日が迫ってきたということで、今回はそのうちのひとつ、那須エリアで行われるツアーについて、具体的に何をするのか、どんなところが魅力なのか紹介していきます。
那須は2つの「作る」をテーマに進む同時並行型ツアー
コンパス那須ツアーを導いてくれる地域ナビゲーターの3人。
左から、佐藤達夫さん、大森綾香さん、豊田彩乃さん。
コンパスツアーは、東京でのオリエンテーション1日と、1泊2日の現地ツアー2回の計5日間でプログラムが構成されています。そのなかで、那須のツアーの場合は、2つの「作る」をテーマにそれぞれが密接に絡み合いながら、進んでいく非常に面白みのあるツアーとなっています。
2つの「作る」とは、
① ゲストハウスを作る
② ラジオCMを作る
この2つです。
2つの違ったものを作っていく那須ツアーは、ものづくりに興味がある人はもちろんのこと、コミュニティを作りたい、自分の仕事を立ち上げたいといった、なにかをはじめたい人にとってきっといろいろな気付きがあるものとなるでしょう。
それでは、それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
①ゲストハウスを作る
ゲストハウスを作ると聞いて、それだけでもワクワクしてきますよね。このテーマ通り、那須のツアーでは集まったみなさんでゲストハウスを作っていきます。「えっ?家造りを一からやるの?」と思ったあなた。安心してください。家はできています。
舞台は黒磯駅前のメインストリートにある一軒の空き家。場所を提供してくれるのは、那須塩原市の地域おこし協力隊であり、間もなく任期満了を迎えて本格的にゲストハウス事業を展開する豊田彩乃さんです。
豊田さんが日々手を入れながら作り上げているゲストハウス作りのお手伝いをしようというのが今回の企画。古くなった部分を壊し、ゲストハウスとして再生させるために日々少しづつゲストハウス作りを行っています。今回のツアーでやるのは壁塗りDIY!
現在、ゲストハウスではかつての内装を剥がしている最中で、みなさんが訪れるときには、きれいになにも施されていない状態になっているはず。豊田さんが剥がした壁にツアー参加者みんなで珪藻土を塗っていきます。
実際の作業は豊田さんに加え、既に那須町の芦野で「那須ゲストハウスDOORz」を運営している佐藤達夫さんのサポートもあるので、DIYが始めてという人も安心してください。
壁塗りDIYを終えたあとには、「DOORz」でBBQをしながらの交流会という楽しいイベントが待っています。すでにゲストハウスを運営している佐藤さんとこれからゲストハウスを運営しようという豊田さんの2人に話しを聞くことで、ゲストハウスをやる心構えや準備内容など気になっている部分を聞けるかもしれませんよ。
民泊が話題になっている今ですから、都市部で部屋貸しをやってみたいと考えている人もいるでしょう。きっとためになる話してんこもりです。
これから手が加えられていくゲストハウスの今。
これ以外にも、ツアーでは温泉で有名な塩原や、ザ・ローカルといった町のなかで面白い取り組みを行っている黒田原などにも訪れます。そうした那須地域のさまざまな面に触れ、那須に"泊まりたくするにはどうすればいいか"、"どんなゲストハウスにしたらいいか"など、考えることがゲストハウス作りのもうひとつのテーマ。
ハード面とソフト面の両方から、ゲストハウスを作ることについて触れる、とても密度の濃い時間となるでしょう。
②ラジオCMを作る
那須ツアーのもうひとつのテーマが、黒田原の地域チャンネル「だっぱラジオ」に流すラジオCMを作ること。ツアー参加者ならではの外の視点で、黒田原の魅力を発信するCM作りに挑戦してみましょう。
ツアー参加者を導いてくれる大森綾香さんによると、「黒田原は那須町の中心にあるけれど、町役場に用事を済ませに来るようなローカルな人しかこない場所で、那須高原の観光イメージとは違う場所です。」そんな黒田原は、駅前の通りも地味な地方都市そのもの。
しかし、町民の人々が自由な雰囲気のラジオを放送していたり、本屋さんの一角にバーがあったりと、中に足を踏み入れてみると、とても不思議な世界が広がっています。
どこにでもありそうな地方都市の黒田原駅前。
ツアーの当日は、「黒田原駅前ナスタルジック映画祭」と題された映画祭が行われています。映画祭を周りながら、黒田原に残るレトロな建物や、そこに暮らす人と交流を深め、その魅力を感じてみて下さい。もちろん、町中の写真や動画を撮ることも忘れずに。ここで撮影した素材が、ラジオCMを形作っていくパーツになります。
ラジオCMは、音声だけのラジオでも流れますし、YouTubeにも載せられます。話題になれば、直接黒田原の地域おこしにもつながるかもしれないビッグチャンス!個人で作成してもいいですし、集まったメンバーと協力して作るのもOKです。黒田原の魅力をあなたの視点で切り取ってみましょう。
黒田原駅前ナスタルジック映画祭のイメージ:左から「閑のブース」「森のブース」「時のブース」という3つのブースが設けられ、それぞれの場所に合う映画を上映しながら、出店しているグルメや催しものを楽しめます。
まとめ:とりあえず軽い気持ちで来てくれたら嬉しいです
2つのものを同時に作っていく、濃密な時間が提供される那須のコンパスツアーですが、地域ナビゲーターの豊田さんは「軽い気持ちで来てほしい」と言います。
「那須のツアーではDIYがあって、映画祭があって、温泉があってという、那須のヒト・モノ・コトにたくさん触れられる内容になっています。そんな旅を通して、自分がどんなものに心動かされるのかを見つけたり、何かが芽生えるきっかけにしていただけたら嬉しいなと思っています。なので、やりたいことがはっきりと決まっている方も、迷っている方も、なんとなく興味を惹かれるなあという方も。とりあえず軽い気持ちで来てくれたら嬉しいです。」
このようなあたたかな気持ちで迎えてくれる豊田さんとともに、那須の「ヒト・モノ・コト」に触れ、新たな価値観を芽生えさせてみませんか? ツアーには、普段は見られないとっておきのものも用意しているそうですよ。
ツアー開始はもう間もなく。10月1日に東京で行われる初回のオリエンテーションを皮切りに、足利と那須は別日程にて10月に1回、11月に1回の、計2回のフィールドワークが実施されます。
毎年好評で幕を閉じるコンパスツアーの募集締切ももう間もなく。なにか新しく踏み出すきっかけがほしいという方のツアーの参加をお待ちしてします。これまでの暮らしにローカルを少しプラスしてみませんか。
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