【レポート】「キッカケをつくる場#06」のトークイベントを都内で行いました!

移住に限らず、もっと気軽に、都内でくらす人々のライフスタイルにローカルを取り入れてほしい。

そんな想いからはじめたイベント「キッカケをつくる場」も、6回目を迎えることができました!

 

今回のテーマは、古民家やパブリックスペースといった“場“の活用。

栃木のローカルを舞台にさまざまな取り組みを仕掛け、人と地域をつなげる「ハブ」となっている4名の方をゲストにトークセッションを行いました。

 

▼トークセッションの内容はこちら。

< session #01 >「テーマ:古民家から生まれる地域の縁側」

< session #02 >「テーマ:パブリックスペースでコトを生み出す」

 

会場は、JR田町駅近くにあるオシャレなスペース「SHIBAURA HOUSE」さん。

 

事前に募集をしたところ、たくさんの方々にお申し込みをいただきました!

参加者のみなさま、ありがとうございます!

 

当日来てくださった方には、こんなコンパスオリジナルの「ローカル行きチケット」もお渡ししました。

 

ではでは、「場の活用」をテーマに、ローカルの魅力やこれからの暮らしの可能性をみなさんとシェアする時間のはじまりです!

 

< session #01 >「テーマ:古民家から生まれる地域の縁側」

まずは、コンパスのプロジェクトで事務局を務める古河からのごあいさつ。

 

「この中で、栃木出身の人ってどれくらいいますか?」

 

との問いかけに、会場の約8割もの方が手を挙げてくださいました。

 

ふむふむ…ということは、今回は「Uターンをして、ジモトで新たなライフスタイルを築いてみたい」と考えている参加者さんが多いのでしょうか?

 

 

< session #01 >のトークゲストは、まさにそんな方々にピッタリなこちらのお二人です!

 

地元の栃木県で、それまでの仕事とは違った活動を見出した柏瀬さんと山口さん。

それぞれ、古民家を媒介として人々が集まる地域での場作りをされています。

 

まさに、「ご近所さんのお家の縁側にふらっとやって来てちょっとお茶を飲んでいく」ような気軽さで、周囲の人々を巻き込んでいく秘訣とは…?

 

ここからは、トークセッションの内容を簡単にまとめてお届けします!

 

ー 古民家を活用しようとおもったきっかけについて教えてください。

 

山口さん:祖父が亡くなって、「住んでいだ古民家をどうしようか…」と家族で話し合ったんです。当時、僕は栃木県内のNPO法人で働いていたので、その取り組みの延長として、この古民家でなにかできないかな、と思ったのがきっかけでした。 とはいえ下野市のことはよく知らなかったので、まずは市内で活動している「キーマン」を ネットで探して、相談をしました。それが後に大きなつながりになりましたね。

 

柏瀬さん:もともとは建築士として東京で働いていたのですが、新幹線で栃木から通勤していたんです。でも、足利市役所に転職したことで、往復5時間半かけていた通勤時間が10分くらいまで短くなったんですよね。 そこで、今まで通勤にかけていた時間をジモトでの活動にあてようと思っていたところ、近所のおじいちゃんから古民家の活用を頼まれたんです。 そこからは芋づる式であれこれ依頼されるようになった感じですね(笑)

 

ー よく聞く「地方の空き家問題」で、なかなか貸してもらえないといった現状についてはどう思いますか?

 

柏瀬さん:僕が仲介をして貸してもらった物件は10年くらい空き家になっていたんですが、もともと入居していた飲食店とのトラブルが原因で、大家さんが「もう絶対に貸さない」と頑なにおっしゃっていたんです。でも、そこを自治会長さんなど地域で信頼されている人の力を借りて、交渉をしました。

 

あとは、僕が普段から空き家の草刈りをしていたりする姿を見てくれていて、「なんかあいつはいい人そうだから」と話を聞き入れてくれるケースも多いです。要は信頼が重要なんですよね。

 

大家さん側としては、古い建物ほどいろいろなトラブルなどが発生しやすいので、リスクと捉えてしまい、積極的に貸したいと思っていないんですよ。

 

ー 活動していく中で大変なのはどんなことですか?

 

山口さん:「いかに、古民家の活用を持続可能なものにしていくか」という課題は常にあります。

僕らは民間で活動しているので、予算のやりくりも自分たちでしなければなりません。だからこそ、それまで運営メンバーがそれぞれ持ち出しで行っていたのを解消するために、今年の春から組織を法人化しました。

 

柏瀬さん:僕は普段は公務員で、古民家活用の活動は土日に行っているので、時間のやりくりが大変ですね。自宅じゃない物件の草刈りばっかりしていて、家にはあまりいなかったり(笑)

でも、結果として楽しんでいるしいいかな、とも思っています。 なんでこんな事やってるかというと、「そこに興味を持って集まってきてくれる人たちをつなげたい」という気持ちからなんですよね。

 

真剣なまなざしで、柏瀬さんと山口さんのお話に聞き入る参加者のみなさん。

 

もっと詳しくお二人のお話を聞きたいと思いつつも、続きは栃木に会いに来てもらったときのために取っておきましょう。

 

さて、ここで次のテーマに!

 

< session #02 >「テーマ:パブリックスペースでコトを生み出す」

トークゲストはこちらのお二人です!

 

プライベートな空間である古民家に対して、今度はパブリック(公共空間)での場作りをしている久松さんと佐藤さん。

駐車場や公民館、コミュニティセンターなど、行政の管理下にあるパブリックスペースをうまく活用する秘訣とは…?

 

ここでも、トークセッションの内容をかいつまんでご紹介しますね!

 

ー 現在の活動をはじめたきっかけはなんですか?

 

佐藤さん:自分が持っているカードの中で、一番有力だったんです。柏瀬さんは公務員でもありながら建築士でもある方なので、建物への見識をもった上で古民家を活用した取り組みをしてますが、僕にはそうした武器がないんですね。
公務員ひとすじの自分ならではのノウハウを活かすとすると、活用できるのは空き家じゃなくて公共空間かなって。条例や法律の範囲内で挑戦できるギリギリのラインを攻めようと思ったんです。

 

久松さん:僕は「10足のわらじ」を自称するほど、いろんな活動をしていて(笑)その中ひとつが、まちの面白さを発見することなんです。そこで自然とパブリックスペースを活用するようになりました。

 

― パブリックスペースをうまく活用する秘訣を教えてください。

 

久松さん:観光協会のスタッフという立場なので、公務員ではないけど、使いたいと要望を出しやすい強みがありますね。

 

佐藤さん:それはあるかもしれないですね。僕も行政出身なので、「これをやったら行政的にNGで、これをやったら支援してもらえる」というのが肌感覚で分かるんです。

 

久松さん:パブリックスペースの所有者である行政からの信頼を得るには、自分たちが開催したいイベントと社会的な課題を上手にリンクさせるのがポイントだと思います。行政の立場的にも応援できるコンセプトを用意するのも大事ですね。

 

佐藤さん:行政としては、市民への公平公正が大事ですからね。一部の人だけが楽しむのではなく、みんなが楽しめる場作りがパブリックスペース活用の肝です。

 

ー 人が集まるか確証がない中で、コンテンツを考えるコツはありますか?

 

久松さん:うーん、「まずは自分が楽しいと思えることをやる」というのに限りますかね。そうしたら、同じように魅力を感じる人って結構いるはずなので。ただ、自分しか楽しくなさそうなことはやっても駄目で、バランスが大事です。

 

佐藤さん;僕もおんなじですね。その他にも、次の世代に同じように引き継がなくていいやっていうか、今この時代で現場の人たちがカッコいいと思うことをやりたいなと思ってます。

 

栃木県ゆかりの食と人を楽しむ交流タイム!

トークセッションが終了したところで、まずは乾杯〜!

 

最後は、栃木県出身のオーナー中里希さんが営む「ことり食堂」さんのごはんを食べながら交流タイムです。

 

じゃーん!!

 

キュートなポーズで写真に応じてくれた中里さんは、栃木県宇都宮市出身。

「ことり食堂」にはコンパスの運営チームも普段からお世話になっており、栃木県産の食材も使用した、ほっこりおいしいごはんをいただくことができます。

 

ごはんを食べながら、会場のあちこちで和やかな会話がうまれていました。

 

こうして、都内にいながらローカルへの関心を抱いている人、栃木にいながらソトの情報にも目を向けている人たちが、境界線なく交流できる空間がとっても心地よかったです。

 

これを機に、栃木のローカルをうまく活用して自分らしい生き方ができる人が増えていったらいいな、そんな風に改めて思いました。

 

さてさて、そんな“きっかけ”となるコンパスのツアーはこちら。

 

▼10/20〜11/18(全3回)に開催予定の下野市ツアーのご案内

ひととまちとつながる旅 「"笑い× 地域の資源"で賑わいをつくる」
詳細: https://www.hajimari-local.jp/event/18long/

 

下野市ツアーへの参加者はまだまだ募集中です!

 

最後はすでに恒例となりつつある(?)コンパスポーズでお送りしますね。

 

\みんなで、せーの!コンパス!!/

 

ではでは!今度はローカルでお会いしましょう♪

 

(文・写真 山越 栞)