【レポート】オンライントークライブ あなたのローカル見つけませんか?益子町・下野市の楽しい取り組みをシェア

「あなたの暮らしに、ローカルを10%プラスする」をコンセプトに、都心部に住みながら地方との関わりをつくるプログラムを開催してきたコンパス。

 

コロナ禍の今年は、どうやって活動を続けるべきかを試行錯誤してきました。

 

そのひとつとして、今回は一度に2つの地域の魅力に触れることができるオンライントークライブを開催しましたので、その内容をレポートします!

 

益子町と下野市、それぞれの特徴って?

 

栃木県にはさまざまな特徴の市町がありますが、今回フォーカスした益子町(ましこまち)、下野市(しもつけし)とはどんな場所なのでしょう?

 

ゲストのトーク内容をお伝えする前に、簡単にまちのご紹介をします!

 

益子町は、やきもののまちとして知られ、現在も数多くのクリエイターが住むところ。古くから陶芸のために移り住む人々を受け入れてきた背景があります。近年では、毎年行われる陶器市のほかにも、数年ごとに開催する土祭(ひじさい)という芸術祭など、新たな活動が都心部の人たちの関心を集めています。

 

下野市は、湘南新宿ラインや上野東京ラインなど、東京と栃木を結ぶJRの主要路に3つの駅がありクセスも良好なまち。そのため単なるベッドタウンに思われてしまうこともありますが、実は地元の人々と地域おこし協力隊の距離がとても近く、あれこれと新しい場や取り組みがたくさん生まれています。

 

違った特徴があるからこそ、どちらのお話にも参加者の皆さんは興味津々。配信に使用したzoomでは、トークライブと並行してチャットも大盛りあがりでした。

 

ではでは、それぞれのまちのセッションを振り返っていきます!

 

 

 

【益子町】自分の風景を自分でつくるって?秘密基地計画と関係人口

 

益子町のトークゲストはこんなお二人です!

大塚 康宏 さん

WEBデザイナー

ヒジノワcafe&space 共同代表/LLP風景社 代表

 

栃木県益子町出身。38歳2児の父。 都内でゲーム制作やWEB制作の経験を経てUターン。 益子町地域おこし協力隊として道の駅ましこや土祭(ひじさい)2018の広報活動に従事。 退任後の現在は「Fundemic(ファンデミック|個人事業)」としてWEBサイト制作・デザイン事業を行う他、 益子町の里山整備に取り組む「道祖土里山秘密基地計画」発起人。 趣味はボードゲーム。「大人が楽しむボードゲーム会」も主催(コロナ禍により休止中)。

伊藤 奈菜 さん

里山ランドスケープデザイナー

bio-landscape 代表

 

人と生き物が共生する場をデザインするランドスケープデザイナー。2017年までプラントエンジニアリング会社に勤務。インド・インドネシア等の海外勤務生活を通じて現地の文化や慣習に触れる。その後、自然に関わることをライフワークとするため退社し、ランドスケープデザインを学ぶ。現在は千葉と益子で二拠点生活をしながら、里山資源を生かした暮らしを実践中。今年、個人デザインオフィス「bio-landscape」を設立。


実は、伊藤さんは、昨年のコンパスの益子でのイベントで大塚さんが主宰する「道祖土(さやど)里山秘密基地計画」に参加したのがきっかけで、デザインオフィスを設立したとのこと…!

 

伊藤さん「益子に家を購入して二拠点生活を始めたものの、なかなか周りに友達ができず…そんなときにコンパスのイベントに参加したら、こんな風にいろんな人と繋がれたんです」

 

 

参加者からは「すごい行動力!」「大人になっても友達ってできるんですね」といったコメントがチャット上に流れました。

 

「道祖土里山秘密基地計画」は、大塚さんが亡くなったお父さんから受け継いだ土地を整備しなおして、益子と関わりを持つ仲間たちの暮らしを彩ってくれるような場所をつくるプロジェクトです。

 

大塚さん「今は竹やぶや雑草の生えた空き地となってしまっていますが、僕が子供の頃は水路やあぜ道があって、このあたりで遊んだりした思い出の場所なんです。子どもたちにこの場所を残していきたいし、益子に縁のある方々と、この場所をもっと生かしていきたいなとも思って。」

 

伊藤さん「去年コンパスのイベントで、大塚さんのこの土地の竹を切って橋をつくったり、すごく長い流しそうめんをしたりしたんです。本当に楽しくて、その後もせっかく益子にいるんだからと『私にも手伝わせてください!』って立候補したんです。その勢いで会社まで設立しちゃいました(笑)」

 

コンパスをきっかけに、こうして素敵な関係人口が増えていくのはとっても嬉しいことですね。

 

「道祖土里山秘密基地計画」では今年もイベントを計画中なので、詳しくは記事の最後をご参照ください!

 

【下野市】柔軟な関係性で、地域を巻き込んだ「やりたい!」を実現

 

下野市のトークゲストはこんなお二人。

大坪 亜紀子 さん

下野市地域おこし協力隊

訪問美容サービス「giveto.」/「しもつけサーカス」主宰

 

北海道室蘭市出身。東京で15年間美容師として働いた後、2019年下野市へ移住。今年度から、美容師スキルを生かし介護スタッフとチームを組んだ新しい訪問美容の形『giveto.』を立ち上げ、活動中。自身の取り組み×地域活性をリンクさせた情報発信から関係人口を増やす取り組みをしている。その他、市内情報を集約させた情報シェアサイト『しもつけサーカス』の運営も手掛ける。

鈴木 祐磨 さん

下野市地域おこし協力隊

シモツケ大学 運営事務局

 

千葉四街道市のベッドタウン育ち。人と関わる口実をつくるため、協力隊に。着任3ヶ月目の地方移住ビギナー。下野市石橋地区のにぎわいづくりをミッションとして、ソーシャル系大学「シモツケ大学」、石橋駅前でのオープンテラス「石橋縁側」、本が地域をめぐるための仕組み「マチナカ本棚」等に取り組んでいる。モットーは「欲しい暮らしをつくる」こと、「無理しない」こと。趣味は枕投げ、サウナ、山登り


 

 

地域おこし協力隊として下野市に移住して間もないお二人ですが、それぞれの「やりたい」を描いて活動しています。

 

ノリのよさ抜群の「チーム下野」メンバー。

写真にはありませんが、画面上には大きなサイコロが登場し、某バラエティ番組のごとく番号で決められたトークテーマに沿ってお話が展開していきました。

 

「なにがでるかな〜?」

 

 

 

ここで、トークテーマに沿ったお二人のお話しの一部をご紹介します。

 

【しもつけって◯◯な町】

大坪さん「いい意味でおせっかいな町です。移住してきたばかりの私に、『これ食べな』とか『あそこ使いな』とか、本当にウェルカムな姿勢で関わってくれる。だから『giveto.』や『しもつけサーカス』などを形にできたんです」

 

鈴木さん「下野市にきてまだ3ヶ月だけど、それめっちゃ分かります!あと、すごく柔軟ですよね。地域おこし協力隊として市役所にデスクはあるけれど、じっとしてられない性格なので『ちょっと行ってきます!』ってまち歩きに出させてもらえたり」

 

【脱◯◯しました】

大坪さん「ズバリ脱・東京です。生まれ育った北海道から東京に出てきて美容師をしていたのですが、移住した今は改めて東京は頑張る場所、刺激的な場所だなぁって。今はどちらかというと『暮らし』に重きを置いた生活になっています」

 

【キッカケは◯◯】

鈴木さん「僕が活動する理由がそもそも人と関わるキッカケ(口実)をつくりたいからなんです。例えば『マチナカ本棚』の取り組みも、読みたい本にタダで出逢えて、本を介して人とのつながりができたら楽しいし。そういうことができるのが下野市ですね」


自分がやりたいことと、地域が求めていることが上手く噛み合うことで、周りからの心強いサポートや寛容な受け入れ環境が生まれ、循環していく。

 

お二人のコメントから、地域おこし協力隊と地域の関係性の、ひとつの理想像が見えてきたような気がしました。

 

気になるまちと、もっと深く

 

益子町、下野市のセッション後には、3〜4名のグループに分かれて、参加者同士で感想を伝え合う時間も。

 

こうして、それぞれのまちの面白さや参加者自身の関心度が見えてきたあとは、第二部として、有志での交流会も行われました!

 

より気になった方のまちを申告し、「益子チーム」と「下野チーム」で、参加者もスタッフもフラットになってあれこれお話し。

理解が深まったところで、第一部よりもっと深く交流ができたのではないでしょうか…!

 

今回をきっかけに、新たなまちとの関係性が生まれますように。



次回のコンパスはこちら!

 

さてさて、2020年を締めくくるコンパスのイベントがまだひとつあります。


\それがこちら/

自分の風景をましこでつくる

「ましこのひとと地域とつながる旅2020」


前年にも大好評をいただいた「道祖土里山秘密基地計画」の第二弾です。まちが育んできた風土やここで暮らす人々と力を合わせ、”これからの里山づくり”に挑戦する地域参加型プログラム。


11/14(土)〜15(日)の二日間にわたって開催しますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください!



そのほか、コンパスや栃木の今を知るイベント情報については以下でもお届けしているので、フォロー・メンバー登録してもらえると嬉しいです!


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(文 山越 栞)